私たちが進みつづける理由
~百万人の労働者行進にて(アルトパート)

【作詞】キム・ロザリオ
【訳詞】堤未果
【作曲】池辺晋一郎
【MIDI製作協力】マルちゃん

今日は仕事がないからまた明日出なおせと言われた
すべての労働者のために
私たちは進む

家族を養えないことで自分を恥じなければならない
すべての父親のために
私たちは進む

仕事を二つかけ持ちしなければならず、
 そのあいだ一人ぼっちで家にいる子どもを心配する
すべての母親のために
私たちは進む

両親が残業しなければならないせいで、
 学校から空っぽのアパートに帰宅する
すべての子どもたちのために
私たちは進む

利用されたあげく上司に屈辱を受け、語学を習う時間すらないために
一生きぬくことに必死な人間がどうやって
 語学学校に行く時間がもてるのだろう?-
言い返す言葉を持たない、すべての労働者のために
私たちは進む

子どもを守り育てるために、生活を切りつめ、
 さまざまな犠牲を払ったあげく、
もっといい人生を手にできるという軍の約束を信じた子どもが、
人を殺すか、または自分が殺されるために戦地に送られる姿を見送る、
 すべての母親のために
私たちは進む

なぜなら今こうしている間にも人々が死につづけているから
 …今も…この瞬間にも
私たちは進む

そして、もしかしたら、
 これ以上死なずにすむかもしれないという可能性のために
私たちは進む

なぜなら私たちは何か正しいかを知っていて、それを求めているのだから
そしてそれを手にする権利があるからこそ
私たちは進む

あまりにも長い間、あまりにもたくさんの犠牲がはらわれ、
代わりに返ってくるものはあまりにも少なすぎたから
私たちは進む

MIDIデータ
1.全体(カラオケ風)
2.ソプラノパート
3.アルトパート
4.テナーパート
5.バスパート
6.全体


2008年日本のうたごえ祭典in東京のために、新たに作られました。

堤未果さんは、この3月に川田龍平さんと結婚したということで、びっくりしましたけど、フリージャーナリストで、うたごえ新聞に新年号で登場したり、2月には日本のうたごえ全国協議会の総会で「国境を超える約束-9条」という講演をおこなっており、うたごえとの接点が増えております。
そんな堤さんの著作の一つ、「報道が教えてくれない アメリカ弱者革命」の最後に、紹介されていたのが、この詩です。
うたごえ新聞社の三輪編集長が、インタビューの前にその本を読み、この詩に出会って、「是非、池辺晋一郎さんに作曲してもらい、秋のうたごえ祭典で歌いたい」と提案。それが実現したものです。

詩を作った、キム・ロザリオさんは、ヒスパニック系のアメリカ人。
息子をイラク戦争に送ってしまった母親。その後悔と、もうこれ以上悲しい想いをする母親を出さないと、シンディ・シーハンさんらと共に反戦行動を始めました。
しかし、息子を戦場に送ってしまわねばならなかったアメリカの社会背景。2004年10月16日ワシントンDCでは労働者の100万人デモとなり、その時の思いを綴ったものです。

JASRAC情報

製作日誌:
平成20年6月9日 歌詞のみ
平成20年7月8日 MIDIをアップ。
このページは、アルトパートをViolaで音も大きくして鳴らしております。
主旋律は、真ん中のPositionでClarinetで鳴らしております。
平成20年8月7日 練習用の各パート別MIDIはテンポを78に落としています。(原曲は84です)