異国の丘

【作詞】増田幸治
【作曲】吉田 正
【MIDI製作協力】マルちゃん

今日も暮れゆく 異国の丘に
友よつらかろ 切なかろ
がまんだ待ってろ 嵐が過ぎりゃ
帰る日もくる 春がくる

今日も更けゆく 異国の丘に
夢も寒かろ 冷たかろ
泣いて笑うて 唄って耐えりゃ
望む日が来る 朝が来る

今日も昨日も 異国の丘に
重い雪空 陽がうすい
倒れちゃならない 祖国の土に
たどりつくまで その日まで


昭和23年8月、NHKラジオ「素人のど自慢」で復員軍人の中村耕造がこの歌を「昨日も今日も」という曲名で歌ったのが流行のきっかけ。
この歌はシベリアに抑留されていた吉田正が昭和18年ごろに「大興安嶺突破演習の歌」として作曲したものに、増田幸治の「俘虜の歌える」という歌詞をあてたもの。
ラジオを聴いていた佐伯孝夫が詞を手直しし、「異国の丘」の曲名でレコード化されました。

里の秋」は南方からの復員を待つ家族を歌ったものなら、この曲は、現地(こちらは北方ですけど)で帰国を待ち望む兵隊さんの「絶対に帰るんだ!」という思いを歌った曲ですね。

劇団四季のミュージカル「異国の丘」については、YouTubeで検索するといろいろと出てきます。その中で「明日への祈り」というのは、北方版「里の秋」という感じでした。
また、「異国の丘」の場面では、「吉田君!これは『昨日も今日も』という曲だ!」ということで歌い出した歌詞は、こんな感じです。
 今日も越え行く 山また山を
 アオよつらかろ せつなかろ・・・

東京・靖国神社の近くに「昭和館」というのがありまして、そこで、開館10周年記念イベントとして「記された想い」~手紙と日記にみる戦中・戦後~という特別企画展を夏休み期間中にやっており、先日見てきました。
よくもまあ、こんなことになってしまうバカげた戦争をやってしまったものだ、と思いながら資料の一つ一つを見て回りました。

JASRAC情報
製作日誌:
平成21年8月12日 歌詞のみ掲載。
この曲は軍歌かどうか数人の人に聞いてみました。家路のP子さんが、「軍国歌謡です」と言ってましたけど。
平成21年8月18日 MIDIをアップ。
伴奏はいつもの「歌謡1001」の楽譜を使ってます。
テンポなどはYouTubeを聴きながら調整したのですが、聴いていて違和感があったのは、歌い手さんが朗々と歌っている点。あまり「帰りたい」という気持ちが伝わってこないんですね。
最近のうたごえ業界も、「がんばろう」を直立不動で歌っているような感じですけどね。