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大合唱曲《返せ沖縄》 MIDI Down Load 44K

【作詞】中央合唱団・赤木三郎
【作曲】序章~第一章  木下そんき
    第二章       林 学
    第三章       長谷 治
    第四章       大西 進
    第五章       スガヤイワオ
    第六章       木下そんき 
序章
 沖縄を返せ 我が祖国 沖縄を返せ
 黒潮うずまく祖国
 豊かな大地 祖国 沖縄を返せ

第一章
 あゝ嵐の中に咲き誇るデイゴよ
 あたたかくやけつく赤さ
 人民の歴史伝えて
 たくましく根強く
 あゝデイゴよ
 変わる事なく大きく咲きひろがれ
 花に人民の血を集めて
 デイゴよ深く根をはれ

第二章
 その日の太陽 まぶしかったよ
 真っ白な 道路に照りかえる
 その日なの
 空から一瞬に
 トレーラーが私を押しつぶしたの
 重い 苦しい
 頭が割れる
 手足がちぎれる
  母ちゃん!
 私は目だけはつぶらなかった
 母ちゃんや基地を見て
 私はギラつく太陽に
  すいこまれたの
 その日から私は忘れられないの
 母ちゃんの涙が
 みんなの叫び
 その日から私はみんなに伝えるの
 ここは日本の島 私の国

第三章
 山を開き
 わしらは苗を
 一本一本植えてきた
 演習場から流れとぶたまの下
 命をはって育ててきた
 金網の中
 キビを見放すことはできぬ
 きのうのきょう八ドルの値下げ
 わしらキビを育て
 売れなきゃどうする
 むすこよ


第四章
 軍用道路に六時間
 佐藤迎える十万の赤旗
 ”売国奴佐藤帰れ”
 ”売国奴佐藤帰れ”
 沖縄は日本のもの
 真白な軍用道路一号線
 ベトナムに続くこの道
 とめる俺達
 ”佐藤帰れ”
 沖縄を返せ
 打ち砕け戦車
 打ち砕けナパームを
 打ち砕け毒ガスを
 ジェット機を
 ”アメリカは出てゆけ!”
 旗を持つこの腕は
 二十七度線で
 共に闘い誓った
 ぬくもりのさめぬ腕
 赤旗高く掲げ
 ムシロ旗上げろ
 九十万の叫び一つ
 沖縄を我らに返せ

第五章
 エイエイ コンチクショー
 溶接んときゃー(エイ)アツか
 煙管服(えんかふく)の首からヘソにと
 火がとびこむ
 手はなすなよ
 下では仲間がおっちゃげるぞ
 エイエイ コンチクショー
 朝の八時のサイレンから
 夜の九時まで長残業
 ぶっくらす相手は
 むこうにおらす
 エイエイ エエイエイ
    便所にゃ落書き
    うち殺してんよかと書きよる
 エイエイ エエイエイ
 二年の仕事を二月で
 五十トンクレーンを三百トンに
 合理化進めば人手はいらず
 人手へらして文句をへらし
 戦争へまっしぐら

 ワイヤーだ ハンマーだ
 ぶっくらす相手はここだ
 スパナだ 旋盤だ
 しのびよる戦争はそこだ
 エーイ 独占
 エーイ 原潜
 ボルトを締めろ
 たがねをうて
 統一してうつ敵は目の前
 アメリカ帝国主義打て!

第六章
 民族解放の日は近い 
 民族解放の日は近い
 デイゴ
 世界に赤い花の輪をみたせ
 ベトナムへ朝鮮へつらなる
 戦列を固めよう
 我らは必ず勝利する
 我らは必ず勝利する

 固き土をやぶりて
 民族の怒りに燃える島
 沖縄よ
 我らと我らの祖先が
 血と汗をもて
 守り育てた 沖縄よ
 我らは叫ぶ 沖縄よ
 我らのものだ 沖縄は
 沖縄を返せ
 沖縄を返せ

 わが祖国沖縄を返せ
 我らの愛する
 栄えあれ祖国よ あゝ










































《息子への手紙》
 むすこよ甘いキビがしゃぶりたいか
 今はなァ
 お前と一緒に育てたキビは
 捨てられたぞ
 お前の工場はどうだ
 機械から手を離すなよ
 むすこよ
 父さんは立ち上がる
 二十年のやみの島から

 おまえを出稼ぎに出すとき
 キビを育てるのも、機械にぎるのも
 苦しさは同じといった
 お前が工場で立ち上がれば
 キビは倒れぬ
 父さんが立ち上がれば
 お前も恋人を愛することができる

 むすこよ
 この目で祖国を見よう
 工場と畑にしっかりとふんまえて
 お前が家に帰ってきたときは
 父さんは同志として手を差し出す
 むすこよ
 その手を同志としてにぎってくれ
 むすこよ
 夜を見るな
 夜明けを見よ!
 また会う時は
 二十七度線を越えて









































  あゝデイゴの花よ
  赤さ誇れ
  赤く勝利のアジアに咲け
  たゆまず守り育てた島祖国
  解放の波よ 波よ
  あゝ祖国洗え
  沖縄を返せ
  沖縄を返せ




組曲「地底の歌」に次ぐ大曲(13分26秒)に取り組みました。荒木栄の「沖縄を返せ」をモチーフにした、この大合唱曲は、改めて歌詞を読み直すと、30年前の日本の世相がびっしりと詰まってます。
第四章の「佐藤」は、佐藤栄作首相のこと。この方、ノーベル賞をもらった割に、あまりよく言われてませんね。佐藤首相の訪米反対で荒れ狂った1968年10月8日の羽田事件など大変な方でした。とにかく、当時おせっかいなアメリカが仕掛けたベトナム戦争では、沖縄が実質的な前線基地になっており、戦車が送られたり、○○油脂がせっせと作ったナパーム弾が送られたり。毒ガスは当時では知られてませんでしたが、多分ダイオキシンのたっぷりはいった枯葉剤なのでしょうね。弾薬は、ウインチェスターのライセンス生産のダイ△ル、レミントンの○○油脂など、日本の企業が大活躍をしてました。
「息子への手紙」は詩の朗読です。MIDIデータではもちろん省略されてますが、中央合唱団が上演するときは、男性の力強いとうとうとした朗読です。「また逢うときは二十七度線を越えて!」に続いて、4ビートの利いた第四楽章が始まります。
第六章はおなじみの「沖縄を返せ」がメインテーマです。「沖縄を返せ」のメロディーにかぶせて「あゝデイゴの花よ...」が歌われます。

第5章の「煙管服」ってどんな服かなと思い、ネット検索したら、洗濯料金640円、というのが出てきました。いわゆる作業服としては一般的な整備用のツナギなのでしょうね。最近では(いや昔からかな)暴走族も着てますよね。

もう一つ、デイゴErythrina Orientalis Murray について。
これは沖縄県の県花です。1972年5月15日に
日本に復帰した機会に制定されてます。
当HPのトップページのコラージュ、一番上の日本のうたごえ
祭典1968年の舞台バックは沖縄の返還を願ってこのデイゴ
の花をモチーフにしているんですよ。(ちょっと分かりにくい
けど)
写真は、沖縄県庁のHPから拝借

この作品はJASRAC非該当ですので、DownLoad可能です。

製作日誌:
平成13年9月10日 初版MIDIデータを作成
平成14年10月20日 第4章「佐藤向かえる」はおかしいので、「迎える」に手直し。コメントの追加
平成18年4月2日 大阪さっとんさんから、6ヶ所のタイプミスのご指摘をいただきましたので、修正