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いぬふぐり

【作詞】すずきみちこ
【作曲】すずきみちこ

1.丘はいまも柴山
  いぬふぐりも咲いている
  息をはずませのぼった
  くにさんと一緒にのぼった

2.お茶の子のむすびをもって
  二人呼びあい乍(なが)らのぼった
  ももひきの小さな足を
  乾草のにおいが乾した

3.くにさんは戦争に行った
  いぬふぐりを放りつけて行った
  手紙もとどかぬ遠くで
  口もきかずに死んだ

4.麦ののげを払い乍ら登る
  しぱしぱするなといってみる
  だけどくにさんは死んだ
  たくさんの人が死んだ

5.いぬふぐりを忘れない
  くにさんを忘れないずっと
  戦争の悲しさを忘れない
  戦争がおこらんようにする

写真提供 bunbunさん
オオイヌフグリ





1950年に朝鮮戦争が勃発したときに、「戦争反対を今こそ表明しなければ」と東大音感合唱団で創られた曲です。

時は、まさにイラク。戦争が大好きなアメリカ。これまで武器をイランCラクにジャンジャン売りつけておいて、今更、「査察を慎重にしましょう」といっている、フランスとロシア。こんな時代だからこそ、声を大きくして「戦争を止めよう!」といえる立場の日本は、ご存知の通り。
せめて、こんな曲を大きな声で歌ってください。

いぬふぐり、Veronicaとも言われます。これはキリスト教伝説に語られる聖女ベロニカにちなんだ名で、ゴルゴダの丘への十字架の道行で、キリストの血と汗をぬぐったベロニカの亜麻のハンカチに、キリストの真の顔が写ったように,この花の色は真の青を写しとったものといわれてます。きれいな青い色をした可愛い花です。

【うたごえ新聞1982年5月31日号】
音感のメンバーだったすずきみちこさん。
卒業後、中学の先生になったものの、この曲のことは忘れていました。
ある年の日本のうたごえ祭典に行ってみてびっくり。この曲を歌っている合唱団が何団体かいることに驚きます。
すずきみちこさんは、小学校2年生の時に、千葉県木更津で終戦を迎えます。
戦争中は、小学生の子どもも民兵として軍馬の飼料のために干し草つくりをしてました。
草原には一面にいぬふぐりが咲いてました。
すずきさんの家でも若い奉公人が出征してゆきました。「勇ましく出征していった彼らが、実は飢えで死んでいったことを知らされ幼心にショックをうけました。戦争というもののみじめさを知った思いでした。中には戦争に行きたくないという人もいました」と当時を語ってます。

JASRAC情報

製作日誌:
平成15年3月1日 久しぶりのマルちゃんからのリクエストです。
平成15年3月9日 bunbunさんから拝借したオオイヌフグリの写真を掲載。
平成15年7月6日 池ヶ谷さんのご指摘で2番の歌詞を訂正。お茶の子むすび→お茶の子の
平成21年7月9日 歌いやすいように1音下げました。(G⇒F)
うたごえ新聞記載のこの曲の誕生秘話を転載。