鉾をおさめて

【作詞】時雨 音羽
【作曲】中山 晋平

1.鉾をおさめて 日の丸上げて
  胸をドンと打ちゃ 夜あけの風が
  そよろ そよろと 身に沁みわたる

2.灘の生酒に 肴は鯨
  樽を叩いて 故郷の唄に
  ゆらり ゆらりと 陽は舞いあがる

3.金の扇の 波 波 波に
  縄のたすきで 故郷のおどり
  男 男の 血はわきあがる

4.エンヤッサ エンヤッサ
  ヤンレッサ ヤンレッサ
  おどりつかれて 島かと見れば
  母へ 港へ みやげの鯨


1928年に藤原義江の歌でヒットした鯨採りの男らしく爽やかな曲です。
新宿トミでは定番で歌われてます。
テナー歌手として切手にもなっている藤原義江ですが、うたごえでもおなじみの「出船」「波浮の港」などを同年に発表してます。
紅白にも出場しており、1955年の初出場ではこの曲を、翌年は「
女心の歌」を歌ってます。

当店でMIDI作成に使っている楽譜データは、1000曲集がメインですが、最近、野ばら社の「日本のうた」を使ってます。トミにお邪魔してこういう懐かしのメロディ系の曲を仕入れてくるのですが、この「日本のうた」は前奏・間奏・エンディングなども記載されており重宝しております。全8冊をそろえるのは資金的に厳しいのでとりあえず、第1.2.3.8巻を購入してみました。
第4.5.6.7巻は最近の曲が中心ですので、まあ買う必要もないかな、と思ってます。

野ばら社のHPに曲名一覧が掲載されておりまが、「日本のうた」と云うだけあって、当サイトでは絶対に取り上げません日本の軍歌も多数掲載されております。
話はずれますが、矢沢保さんの追悼会で元キングレコードの長田暁ニさんが「軍歌の再評価をしよう」と呼びかけておりました。「軍歌」といっても素晴らしい曲がある、その一方で、軍国主義を後押ししたNHKや朝日新聞などのマスコミの責任をはっきりさせる必要があると力説しておられました。
この「日本のうた」に記載されている曲の解説でその辺の事情がよく分かりました。
「太平洋行進曲」毎日新聞社が海軍省の後援で全国公募したもので、太平洋戦争の長期化で厭戦気分になっている人心を奮起させるものでした。(この曲も藤原義江が歌ってました)
「愛馬進軍歌」陸軍省が作成した軍馬愛護の曲をNHKが「国民歌謡」として普及に協力
「兵隊さんよありがとう」朝日新聞社の企画募集歌で児童向けに作られた曲

再評価の方は、長田さんの「知っているようで知らない 音楽おもしろ雑学事典」(ヤマハミュージックメディア)では「戦友」「討匪行」「雪の進軍」などは厭戦歌の烙印を押されて軍部から歌唱禁止を言い渡されてますが、こういう曲のことをいっているのでしょう

JASRAC情報

製作日誌:
平成17年3月12日 歌詞のみ
平成17年3月13日 MIDI作成
平成18年4月15日 2番の歌詞の2行目の「故郷唄に」は「故郷の唄に」でした