炭鉱(やま)の子

【作詞】花田 克已
【作曲】玉置 利夫

1.盤圧耐えるカッペのように
  あばれる前のお前を腹に
  耐えて突っ立つおっ母の背中
  今日も朝陽に輝(て)る捲やぐら

2.じじいは切羽に生命を埋めた
  お父うは牢屋で闘っている
  お前は元気でおっ母の腹を
  蹴りけり育て炭鉱のあとつぎ

3.お父うもチビでおっ母もチビだ
  生まれるお前もチビでもよいが
  石炭(すみ)にまみれりゃこの炭鉱一の
  炭鉱の男の生命をつげよ


当サイトでは、花田作品はこれまで4曲ありますが、最初に曲がついたのは、「炭鉱の娘」だそうです。
曲が付くことをかんがえずに文学サークルの機関誌に投稿して、作曲がついたことに励まされて第2弾がこの「炭鉱の子」とのことです。
花田克已の長男が生まれる前に書いたもの。それは、1950年代の後半、三池闘争の前で、炭鉱合理化がドンドンと進められていた頃です。
カッペ(Kappe)とは、切羽の天盤を支えるため、鉄柱の上に取り付けて、炭壁面まで延ばしある金属製の梁のことです。炭壁近くに障害物がなく、坑内の機械化に便利、といわれてます(広辞苑より)

そんな鉄柱のカッペが盤圧に耐えている姿と、胎児を孕んで耐える奥さんの姿を重ねたのが1番。
2番は、そんな中で元気に育っているまだ見ぬ子どもの姿と、3番での生まれ時の期待を綴ったものです。

JASRAC情報
製作日誌:
平成18年11月9日 歌詞とMIDIをアップ
うたごえ50年のCDは男性コーラスで力強いお父さんのように歌われています。
楽譜記載の曲想は「気持ちを込めて」ということですので、やさしいお父さんをイメージしてみました。