聞けよ! Listen

 ロシア民謡
【作詞】I.Holz-Miller
【訳詞】合唱団白樺
【MIDIデータ作成協力】Iwakichsky

1.おごれる心のくもりか
  秋の夜は暗く
  夜霧の奥に立つ人屋
  おぼろなその影
  けだるい歩哨の靴音
  遠くまた近く
  悲しげにしじまを乱す 聞け! 聞け!

2.囚われ人窓辺により
  暗やみを見つめ
  両(もろ)の手に格子をつかみ
  食い入るごとくに
  音なき夜更けに ふくろうの
  鳴き声するどく
  靴音は時をきざみぬ 聞け! 聞け!

3.けものか人か 闇に溶け
  うごめく影あり
  はげしく歩哨の声して
  銃音(つつおと)とどろく
  「わが運命よ さらば自由よ」
  声なき叫びを
  残して影は倒れ伏す 聞け! 聞け!

4.たとえ厚き石の壁も
  鉄(まがね)のくさりも
  銃剣のきらめく闇に
  見張りきびしくも
  墓場のごとき静けさも
  運命(さだめ)を誇りつ
  生きゆく身をば縛りえず 聞け! 聞け!

5.罪なき罪に苦しみて
  年月を忘れ
  自由に渇えしこの身は
  はや疲れはてぬ
  我をば守れ 闇深き
  おお 秋の夜を
  慰めよ 囚われの身を 聞け! 聞け!

6.再び訪(おとな)う静かさ
  かいま見る月は
  もの言わぬ涙の顔を
  雲間にかくしぬ
  けだるい歩哨の靴音
  遠くまた近く
  悲しげにしじまを乱す 聞け! 聞け!


1864年に作られた詩に作曲者が曲をつけたのもの。政治犯として長年牢獄生活を送っていた想いを書いたものだそうです。
白樺さんのCDの第三集に収録してあります。元々原曲のCDは持っていて同じ歌だと気がつきました。両方とも無伴奏で歌われています。(Iwakichsky)

何とまあ、不躾なタイトルですな。
通常会話で、「まあ、聞いてくれや」的なイメージで「Listen!」と云うことはありますが、これは米語ですね。Queen's English系の(ヘヘヘヘヘッヘ)のエーちゃんとしては、「Listen!」なんていわれたら、「うっせ~」って言い返したくなってしまいます。「こっちとら、江戸っ子で~ェ、てやんで~ェ」
いかがでしょうか、はるか先生?(WASPの米語ってどんな感じなんですか?)

さて、帝政ロシアでは、1861年に「農奴解放」。しかし、これは単に都市での労働力の確保が目的であり、農民(農繁期は農業、その他はマニュファクチュアリングの労働者)の暮らしが改善するわけではなかったのですね。1865年に「仕事の歌」が出来ているのは、そのような世相を反映してます。1880年代には、マルクス主義が民衆の中に普及。これに伴って、政治犯もうなぎのぼり。これらの囚人の歌がそのまま革命歌になっていったものが数多くあります。
この「聞けよ!」のほか、この頃の楽曲としては、「街のざわめきも聞こえず」「夜は暗い」などなどがあります。

JASRAC情報はありません

製作日誌:
平成15年10月20日 歌詞とMIDIをアップしました